「次はおまえの番や! 覚悟しておけ」とつげられている藤岡英次さん......。
今年の90才になる現役の演出家・千田是也さんのモットーは「軽く・楽しく・一心に」。と今朝のしんぶんに載っていた。 あぁ死刑廃止の運動もこれでいきたい、と思うのやけど、去年の二度にわたる執行を目のあたりにして、どうしてもおもた〜い気持ちになる。
ずっと前、帝銀事件の平沢さんの救援に仕事もやめて、死ぬまでそれにかかりっきりやった森本哲郎さんの本を読んだことがある。
真夜中突然ハッとして目が覚める。汗をびっしょりかいている。平沢が処刑された夢をよくみるのだ。....と書いてあった。
これを読んだ時、死刑囚を救援するってことは、地獄の底までいっしょにいく覚悟がなけりゃとてもできることやない。わたしなんか、とてもダメやと決めてしまった。 で、わたしは個別の死刑囚とかかわることを極力さけてきたのやった。そやから去年、大拘で殺された四人のひとについても,わたしは面会をしていな いし、手紙のやりとりもしていない。
中道さんは一体何人の死刑囚とつきあってはるんやろ。「こんなに太ってるのはストレスのせいや」というてはったけど、よう身がもつと思うわ。
大阪拘置所には、いま藤岡英次さん、渡辺清さん、名田幸作さんの三人が死刑確定者として残こされている。
そして殺される「順番」というのがあるとすれば、次は確定から10年たっ て一人残っている藤岡さんがやられる
12月3日の集会での中道さんの叫びは,非痛やった。
ようするに死刑制度がなくなるまで待ってるわけにはいかないということや。
ともかく藤岡英次さんの処刑をさせないための個別・具体的な方策を考えなアカン。
中道さんをよんで、もう一度藤岡さんのこと、彼がやったという事件のこと、
くわしく聞くあつまりを持つことにしました。 それから向井武子さんもおよびしています。向井武子さんは、早くから 藤岡さん、渡辺さん、名田さんと面会や手紙のやりとりをかさね親身に動いてこられた方です。
どうかあなたもでかけてきて下さい。「軽く・楽しく・ときどき」なにか一つでもできることをさがしたいと思っています。
(水田ふう)
1994.2.1