「鵜飼町666──水田ふう・向井孝の書棚」は水田ふう・向井孝が遺した、ふたりの手になる印刷物と、未知の仲間との接点をつくることを目的として開設されました。 第一弾として、ウリ-ジャパン機関紙「非暴力直接行動」全号を掲載します。 以降、第二弾、第三弾として、水田ふう個人通信「風」、向井孝個人通信「IOM」の掲載予定しています。  毎月6日に更新します

中道武美弁護士 向井武子さんをおよびして  非暴力直接行動192号  付録

次はおまえの番や! 覚悟しておけつげられている藤岡英次さん......。 

今年の90才になる現役の演出家・千田是也さんのモットーは「軽く・楽しく・一心に」。と今朝しんぶんに載っていた。 あぁ死刑廃止の運動もこれでいきたい、と思うのやけど、去年の二度にわたる執行を目のあたりにして、どうしてもおもた〜持ちになる。 

ずっと前、帝銀事件の平沢さんの救援に仕事やめて、死ぬまでそれにかかりっきりやった森本哲郎さんの本を読んだことがある。 

真夜中突然ハッとし目が覚める。汗びっしょりかいている。平沢が処刑さ夢をよくみるのだ。....と書いてあった。 

これを読んだ時、死刑囚を救援するっことは、地獄の底までいっしょにいく覚悟がなけりゃとてもできることやない。わたしなんか、とてもダメやと決めてまった。 で、わたしは個別の死刑囚とかかわることを極力さけてきたのやったそやから去年、大拘で殺された四人のひとについても,わたしは面会をしていいし、手紙のやりとりもしていない。 

中道さんは一体何人の死刑囚とつきあってはるんやろ。「こんなに太ってるのはストレスのせいや」というてはったけど、よう身がもつと思うわ。 

大阪拘置所には、ま藤岡英次さん、渡辺清さん、名田幸作さんの三人が死刑確定者として残こされている。 

そして殺される「順番」というのがあるとすれば、次は確定から10年たっ て一人残っている藤岡さんがやられる

12月3日の集会での中道さんの叫びは,非痛やった。 

ようするに死刑制度がなくなるまで待ってるわけにはいかないといことや。

ともかく藤岡英次さんの処刑をさせないための個別具体的な方策を考えなアカン。 

中道さんをよんで、もう一度藤岡さんのこと、彼がやたという事件のこと

くわしく聞くあつまりを持つことにしました。 それから向井武子さんもおよびしています。向井武さんは、早くから 藤岡さん、渡辺さん、名田さと面会や手紙のやりとりをかさね親身に動いてこられた方です。 

どうかあなたもでかけてきて下さい。「軽く・楽しく・ときき」なにか一でもできることをさがしたいと思ってます。 

(水田ふう) 

1994.2.1